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Yuri Osakabe

【ケーススタディ】視覚障がいをもつ子どもたちがキュベットでプログラミングに挑戦

視覚障がいをもつ子どもたちがキュベットでプログラミングに挑戦

日時:2018年9月6日、20日
場所:筑波大学附属視覚特別支援学校小学部
対象年齢:小学部4年・9歳 全盲・男児、小学部6年・12歳 全盲・女児、小学部6年・12歳 弱視・男児
人数:計3名
指導・報告:中村里津子 先生
教科:自立活動(45分)個別授業
使用教材:プレイセット1台、折り紙(1辺15cm、9色)で作成したマップ、タックペーパー(点字を書くシール)、線引きテープ(ホワイトボード用)、立体コピーで作成したワールドマップ縮小版(A4サイズ)、つかいかた(Book0)、キュベット学校へ行く(Book1)

筑波大学附属視覚特別支援学校小学部の中村先生は、キュベットが視覚障がいのあるお子さんたちにとって適切なプログラミング教材であるか、また白杖歩行する際に必要とされるオリエンテーションやモビリティの概念を形成するのに効果的な教材となりうるか、ということについて検証しました。

目が見えなくても、ブロックやキュベットを手で触りながら理解できた

はじめに、今からプログラミングの授業を行うことを児童に伝え、パソコンを使わないでプログラミングを学ぶことができる教材があることを紹介します。キュベットを登場させたら、まずブロックの形と役割、キュベットの動き方を手で触って確かめます。子どもたちはすぐに理解してボードにブロックをセットし、キュベットを操作し始めました。そしてキュベットの上に手を載せながら、どのように移動するかをしっかり確認していました。

それぞれの色名を点字で書いた折り紙の道をプログラミング

キュベットの操作方法がわかったら、次は折り紙で作った縦3枚×横3枚(9色)のマップを用意します。9色の折り紙には色名を書いた点字シールを貼っておき、各々の位置を把握させます。そして、「前にすすむ」「右に90°まがる」「左に90°まがる」ブロックを使って、簡単なルートで行ける目的地を設定し、ブロックの構成を考えながら折り紙のマップ上でキュベットを操作していきます。目的の場所へ進むにはどう構成するかを予想し、確かめながらプログラミングを行いました。折り紙のマップを使用することで、手を伸ばして届く範囲内でキュベットの動く様子を観察することができました。

目的地やマップの全体像が分かるよう様々な工夫を行った

次に、立体コピーで作成したA4サイズのワールドマップ縮小版を用意し、それを触察させます。縮小版マップ内の「やま」や「かわ」などの名称と場所を確認しながら、大きなワールドマップ上のどこにあるのかを触って確かめ、全体像を把握していきます。

全体像が把握出来たら、ワールドマップ(縦6マス×横6マス)に移行し、徐々に複雑な課題ルートとブロックの構成を考えてもらいました。
ワールドマップの枠線には、線引きテープで線を引いて、境界線が手で触って分かるようにし、各々の場所・数字・方角には点字で書いたシールを貼る工夫をしました。

ここでファンクションブロックの使い方にも挑戦しました。簡単な課題から、徐々に難易度の高い課題に取り組み、達成感を得ることができました。青ブロックも含め使い方の答え合わせをした後は、キュベットを自ら操作して課題をクリアしていきます。

お題を3つほど解いた後、児童は自分で目標設定をし、自由に楽しくキュベットを動かしました。予測と確かめを行い、失敗した場合は修正を行って、成功体験を積んでいきました。簡単な課題から、徐々に難易度の高い課題に取り組んだことで、達成感も得ることができました。

授業後のアンケート調査による子どもたちの感想

・最初、右左に曲がるところの計算の仕方と特別なキーの使い方が難しかったが、やり方をのみこめば簡単だった。
・今回受けた「プログラミングの授業」はとても楽しかった。 今後も「プログラミング」を続けていきたい。
・最初は、予想せずにブロックをはめて実行したので、マップからはみ出してしまいました。次からは予想を立ててからやるようにしました。少し予想から外れることもありましたが楽しかったです。できたらまたやりたいです。
・たくさんのブロックや全てのファンクションブロックを使う所でブロックが足りなくなったりして、少し難しい所もあったけれど、そういう難しいプログラミングが一番楽しかったです。

授業をした先生の感想

児童は、ブロックの形と役割を手で触って確かめ、すぐに理解してボードにセットし、キュベットを操作し始めました。
ブロックの形が触って判別しやすく、またキュベットの上に軽く手を載せて移動している様子を把握できるので、視覚に障がいのある児童にも扱いやすい教材であることがわかりました。
マップに工夫を加えることで理解をさらに深めることができたと思います。
移動ルートを予測してブロックを構成し、それを確かめることは、プログラミング的思考を身に付けられるだけでなく、視覚に障がいのある子どもたちがオリエンテーションやモビリティの概念を形成するのに非常に有効であると確信しました。

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